洋菓子工房ベルジェ
オーナーパティシエの加賀さんの経歴は少し変わっている。通っていた大学は県外の工学系学部。パティシエの方とはなんとなく違う印象に納得した。「工学部とは全く畑違いのパティシエの道を志す決断をする日は突然やってきたんです。」とオーナーパティシエの加賀さん。
就活時に子どもの頃から果物店と併設して喫茶店を営んでいたケーキをつくる父の背中を思い出した。見慣れた父の背中の向こうに美味しそうなケーキや喫茶のパフェに目を輝かせるお客さんの笑顔がはっきり見えた。「これは運命的なフラッシュバックだ」と父をはじめ家族の反対を押し切り説得し、パティシエの道を志すことを決意。大学卒業後、10年間と自ら期間を決め大阪と広島で洋菓子作りの修行をして帰岡。
父の店を受け継ぎ2015年に現「洋菓子工房ベルジェ」をオープン。
以後、定番の生焼洋菓子だけでなく浅口地域の農産物、地酒などを活かした新商品やコラボ商品を多数開発。今では街になくてはならないケーキ屋さんになっている。
浅口市金光町内に新店舗を2021年初夏頃オープン予定。「イートインスペースを設けて念願のパフェも始めます!」まだまだ加賀さんの夢がつづく。
洋菓子工房ベルジェ
浅口市金光町占見新田335-23
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TEL.0865-42-5276
http://vergerasakuchi.jp/
あさくちブランド認定商品
㈱吉田手延製麺
㈱吉田手延製麺五代目の真生(まさき)さん。健康志向に着目した商品づくりを行っていた先代からバトンを受け継いだ。明治時代から続く伝統ある製麺所として、麺づくりに向き合い、大量生産ではなく手作業で丁寧に作られた麺は、安定したおいしさで根強いファンに愛されている。元保育士の奥様と二人三脚で、新商品の開発や販売促進の企画に日々取り組んでいる。
奥様が嫁いで来られてからは、様々な商品開発に取り組んでいる。個包装の素麺もそのひとつ。今までは箱でしか販売しておらず、量が多かった。少ない量で気軽に買えるように、少量の個包装にした。当たり前の商品のようだが「妻の意見がなければ、これまでの箱販売を変えることを思いついていなかったかもしれません。」とご主人。
㈱吉田手延製麺には、昔からのリピーターが多い。手延麺の製麺所が多く点在するここ浅口市鴨方町では、各製麺所のご贔屓(ファン)が存在する。㈱吉田手延製麺のご贔屓さんは、製麺後約1年の熟成期間を経てから販売される「ひねもの」という素麺を指名買いされる方が多い。
取材に伺った際は、機(はた)と呼ばれる乾燥用の枠に麺をかけて大きく引き延ばす門干(かどぼし)作業が終わり、乾燥した麺を切台で定寸に切断する小割(こわり)作業中。午前中に終わっていた門干しは、二本の木箸をあやつり、乾燥と熟成の加減にしたがって順次延ばしていく作業。一級製麺技能士の技である。
麺づくりの工程は手作業で、家族で手分けして行う。見ていると簡単そうに見えるが、長きにわたって訓練された熟練の技がないと到底できない作業。テキパキと阿吽(あうん)の呼吸でチームワーク良く、それぞれの作業を進めていく。
鴨方の少し山間にある㈱吉田手延製麺は、直売所も併設している。少し分かりにくい場所ではあるが、直接買いに来られるファンも多い。ふるさと納税の返礼品にもなっている商品もあるので、㈱吉田手延製麺の「ひねもの」の美味しさを是非一度味わってみてほしい
㈱吉田手延製麺
浅口市鴨方町小坂東1321
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TEL.TEL.0865-44-3801
http://y-tenobe.co.jp/
あさくちブランド認定商品
佐藤果樹園
佐藤さんご夫妻の果樹園は、竹林寺山のあさくち天文台を望むことができる鴨方の緩やかな傾斜の山肌にある。瀬戸内の温暖な気候と豊かな自然の中で、ご夫婦お二人で多種に渡る果実を手間暇かけて栽培している。
取材時は小春日和で、桃の落葉の絨毯が美しかった。「清水白桃」「白麗」「黄桃(サマーゴールド)」などの岡山の夏の名果実である桃の旬の期間は7月下旬から8月中旬。桃のシーズンは短く、収穫と出荷作業で手いっぱいのため、加工作業はパートさんの手を借りている。
手塩にかけたこの桃を全て何とかして美味しく、1年通して届けることは出来ないかという想いから、栄養士の資格を持つ奥様の美恵子さんを中心にオリジナル果実加工品を開発、販売をスタートさせた。
生産者だからこそできる新鮮な果実を使い丁寧に作り上げた商品たちはもちろん、ぜひとも旬の時期に生の果実も味わってほしい。
佐藤果樹園
浅口市鴨方町鴨方1365
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TEL.0865-44-8594
http://momo-confi.com
あさくちブランド認定商品
最上手延素麺㈲
一級製麺技術士の資格を持つ職人が、気候や湿度・麺生地の様子を見極めながら手作業で製麺。素材選び・製麺技術・品質へのストイックなこだわりから作られる手延べ麺には、コアなファンも多い。取材時は、麺生産繁忙期に突入した頃。「生地は毎日状態が違います。その状態を見極めて作業をすることで美味しい手延べ麺ができるんです。」とインタビューにこたえてくれたのは、3代目社長の最上誠さん。
浅口ブランド認定商品も古来より受け継がれてきた伝統の味と技術を受け継ぎながら、さらに新たな麺づくりに挑戦している誠さんのアイデアである。
製麺所の隣には直売場も併設しており、定番の素麺の他、中華めんやそばなど様々な種類の手延べ麺が販売されているので是非立ち寄ってみてほしい。
最上手延素麺㈲
浅口市鴨方町本庄342
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TEL.0865-44-8358
https://mogami-tenobe.com/
あさくちブランド認定商品
かも川手延素麺㈱
浅口市鴨方町は、岡山県の手延べ麺の産地として有名だ。かも川手延素麺で作られた麺は、昔ながらの手延べ製法で、独特のコシと滑らかな食感があるのが特徴。約30時間かけて、熟成とのばしを繰り返し重ねた生地から作られることで、手延べ麺独特の美味しさを味わうことができる。
そして、工場から車でおよそ3分のところに同社が運営する水車が目印の「お食事処 麺蔵人(めんくらんど)」も紹介したい。
かも川手延素麺で作られた麺を味わうことができるお店だ。讃岐うどんとは全く違う、手延べならではの「つるつるっもちもちっ」とした食感の麺を堪能できる。社長のおススメメニューは、夏は「ざるうどん」、冬は「釜あげうどん」とのこと。
併設する「麺蔵人 直売所」では、うどんはもちろん、冷麦や素麺、蕎麦などを多数揃えており、お土産にしても喜ばれる。
夏は「素麺流し」、冬は「うどん祭り」といったイベントも開催されているので、是非一度足を運んでみてほしい。
かも川手延素麺㈱
浅口市鴨方町小坂東1719-1
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TEL.0865-44-7777
http://www.kamote.co.jp/
あさくちブランド認定商品
まからずやストアー
「まからずやストアー」は昭和48年に創業。代表の岡辺さんは2代目。寄島の取れたての海の幸や惣菜を販売。地元の台所として愛されている。
まからずやストアーのある寄島漁港は、備中を代表する一級河川高梁川の栄養分や潮の干満差などに恵まれており、そこで獲れる魚介の美味しさは県内外の食通に知られており、寄島の牡蠣を一度食べると味の違いに驚く。とりわけ、かき小屋の立ち並ぶシーズンの週末となると、早朝からその美味しさを知っているリピーターなど多くの人で賑わう。
岡辺さんは、寄島の海の恵みの美味しさをもっと知ってもらいたいという想いで、牡蠣以外にも寄島産のたこやいかなどの商品開発も行っている。
まからずやストアーは本店と早崎店がある。早崎店にはイートインコーナーあり、お好み焼きやモダン焼きなどが食べられる。シーズンには寄島牡蠣を使ったお好み焼きも。
牡蠣を使ったお好み焼きは特に人気なので週末は1~2時間待ちになることも。当日朝、電話での予約がおススめ。
まからずやストアー
浅口市寄島町3135
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TEL.0865-54-2430
http://makarazuya.net/
あさくちブランド認定商品
丸本酒造㈱
「酒造りは米がいのち」という信念のもと、30年以上前から蔵をあげて酒米作りに取組んでいる丸本酒造。ヨーロッパなどのワイン醸造家は自らぶどうを育て収穫しワインを醸すが当たり前。それとは反対にそうではなかった当時から酒米の自家栽培を開始、あえて厳しい環境で育てることで稲自身のもつ生命力を最大限に引き出す栽培法「三黄」で米作りを行っている。
酒造りの現場である蔵は国の登録有形文化財に指定されており、代表銘柄は2種。高い知名度と品質で知られている「かもみどり」は蔵の代名詞、「竹林」は原料米に徹底してこだわり、農産酒蔵として理想の日本酒を追求している。
今回インタビューでお話を聞いたのは若手のホープである営業の新井さん。もともと日本酒好きなわけではなかったらしいが、丸本酒造のお酒を飲んではじめて日本酒を美味しいと感じたという。就職合同説明会に杜氏でもある社長が自ら参加し、数回に渡る食事会などを通してコミュニケーションをお互い深め、はれて採用になった。ご本人曰く、酒蔵に就職するとは思ってもなかったがこれもご縁。「若い世代にもお酒の美味しさを伝えたい」とSNS発信なども担う。近年では海外との取引も増えてきており、コロナ禍でもZOOMなどオンラインツールも利用しながら新しい販売チャネルも広がりを見せている。そんなエピソードからも伝統と革新を続ける「農産酒蔵」の伸びやかでしなやかなお酒の味のイメージが垣間みえる。
丸本酒造㈱
浅口市鴨方町本庄2485
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TEL.0865-44-3155
http://kamomidori.co.jp/
あさくちブランド認定商品
嘉美心酒造㈱
瀬戸内海の穏やかな潮の音が聞こえてきそうな海辺にほど近い寄島町にある嘉美心酒造。昭和40年代頃までは、周辺は干拓地で塩田が多くみられる風景であった。一般的に日本酒は酒米と言われる品種の米で造られることが多いが、嘉美心で造られる酒の多くは、あけぼの・あきひかり・朝日などごはんとして食べられる食米をふんだんに使い醸されている。冬は仕込み蔵、夏は冷房貯蔵蔵として機能している「秘宝閣」と酒の原料処理(洗米・蒸し・放冷・製麹)が行われている「渚の蔵」で厳重な品質管理のもと造られている酒の味は米の旨さを追求した「米旨口」。
「酒のある楽しい時間を提供する」という理念の基、内倉杜氏の指揮で伝統の嘉美心の味わいを残しながら、新しい技術を取り入れさらなる「米旨口」を進化させている。
提携酒販限定酒や季節限定酒、そのほか年4回行われている蔵祭りや酒造見学などでもその時だけの限定酒の販売もある。ファンを楽しませる様々な取組みも。最新情報はホームページやSNSでもチェックしてほしい。
嘉美心酒造㈱
浅口市寄島町7500-2
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TEL.0865-54-3101
https://kamikokoro.co.jp/
あさくちブランド認定商品
平喜酒造㈱
最新設備と様々なテクノロジーを基にした技術を導入し、製造高岡山県一を誇る大きな蔵。外から観ると大きな工場。そこで造られているお酒は県内でも様々なところに置いてあり、看板もよく見かける。日本酒好きでなくても名を知られている酒造メーカー。それが今までの平喜酒造のイメージだった。しかし、今回実際に蔵を訪ね、原杜氏からお話を伺うと「聞いてみなくてはわからなかった事実」をたくさん知ることができた。
平喜酒造のメイン銘柄は言わずと知れた「喜平」。喜平は先の工場で造られているのだが、実は工場施設の中に完全手造りの酒を造る施設もある。
浅口ブランド認定品の「超特撰 大吟醸 喜平」が完全手造りのそれにあたる。杉の木をふんだんに使った麹むろ、木製の蒸し器、杉桶を使い伝統的な方法で完全手造りをしている。そこには浅口の誇る良い水、そして岡山の米を活かす杜氏の技と感性が息づいている。
「手造りの技術があるからこそ、最新設備やテクノロジーを活かすことが出来るんです。」と備中杜氏組合の会長も務める原杜氏。備中杜氏とは、古来より備中流という優秀な酒造技術を伝承しながら新しい技術を取り入れ日夜努力研鑽している酒造りのプロの集団である。原杜氏の話が直接聞ける蔵見学、酒蔵参観日開催のなどの情報は、ホームページやSNSでも公開しているのでチェックしてほしい。
平喜酒造㈱
浅口市鴨方町鴨方1283
MAP
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TEL.0865-44-2122
http://www.hirakishuzo.co.jp/
あさくちブランド認定商品
㈲柏原
ここ寄島地区は麦稈真田(ばっかんさなだ)の産地である。麦稈真田とは、麦稈(麦わら)を平たくして裂いたものを真田紐(戦国時代から伝わる手工芸品)の手作業を使って編んだもの。主原料である大麦の栽培が盛んだった岡山県西部を中心に、農家の副業として、盛んに生産され、欧米に輸出された。帽子は、明治末ごろから対象半ばを最盛期として岡山県の主要な工業製品となり、今でも岡山は、全国でも有名な帽子の産地として知られている。
㈲柏原の帽子づくりは、歴史を継承し、また永年、ハイブランドに採用されることにより、磨かれた技術力と高いファッション性、柔軟で機動力のあるデザイン企画が特徴で、開発、製造までの自社一貫生産を行っている。取材時は大寒の頃の真冬であったが、帽子づくりは、春夏ものの軽やかな麦わら帽子製造の真っ最中。カラフルなものや涼しげなデザインのものがたくさん重ねられ、次の作業を待っていた。
帽子づくりはすべて手作業で、作り手の感性がダイレクトに表れる。型紙はなく、経験にもとづいた感覚と技術で作業は進む。その作業の様子から、工場(こうば)というより工房、商品というより作品、と表現することが正しいように感じる。
帽子づくりは、プレス機と様々な形の木型や金型を使い、多種多様のデザインを作っていく。㈲柏原では、春夏の麦わら帽子だけでなく、25年前から秋冬向けのフェルト帽子を作っている。麦わら帽子づくりの技術をベースにしたウールやラビットファーを使った帽子である。
日本に数台しかないドイツ製ローラーを使い、ハイブランドで採用されている実績からもクオリティーの高さが分かる。この日見せて頂いた、たくさんのフェルト帽子は、素材やデザインが様々。百貨店などを中心にした中高年女性向けのデザインだけでなく、都心部を中心とした若い女性がターゲットのセレクトショップ向けのデザインにも対応している。
「ファッション誌は読まないんです」と柏原社長。真似するよりチャレンジしてみること。高い技術をベースに日本人らしい感性と独自の製法で常によいものを目指す。「KASHIHARA」の帽子は時代によって変化し、進化していく。
㈲柏原
浅口市寄島町7288番地
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TEL.0865-54-2234
https://kashihara-hat.com/
あさくちブランド認定商品